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9月の中旬
例年より暑さが残っている日
ひつまぶしを食べに車で名古屋まで
オープン時間に到着したのにもかかわらず1時間待ちという盛況ぶりだ
駐車場で仕事のメールを打つ誠を横目に
千尋はライブ映像をみる
肝心のひつまぶしは、香ばしい香りと触感が今までになく
おいしいのだが
最近の千尋の胃袋には、すこし多かったようだ
気を使ってなのか、本心なのか
必ず、まっとうなプランを提案してくる誠を
じれったいような、誠実なような
なんとも言えない気持ちで受け答えをする
しかし誠の提案で訪れる場所には
素敵な思い出ができていくものである
突然こみあげてくる不安や喜びに震える千尋を
彼はやさしく受け入れるのだ
不思議な
不思議な人だと千尋は思った