劣等感と闘う恋愛至上主義の心情

幼少期から始まる異性依存と、仕事における真面目ゆえの劣等感と闘う不器用な30歳の物語

9月の中旬

例年より暑さが残っている日

 

ひつまぶしを食べに車で名古屋まで

オープン時間に到着したのにもかかわらず1時間待ちという盛況ぶりだ

 

駐車場で仕事のメールを打つ誠を横目に

千尋はライブ映像をみる

 

肝心のひつまぶしは、香ばしい香りと触感が今までになく

おいしいのだが

 

最近の千尋の胃袋には、すこし多かったようだ

 

 

気を使ってなのか、本心なのか

必ず、まっとうなプランを提案してくる誠を

じれったいような、誠実なような

なんとも言えない気持ちで受け答えをする

 

しかし誠の提案で訪れる場所には

素敵な思い出ができていくものである

 

突然こみあげてくる不安や喜びに震える千尋

彼はやさしく受け入れるのだ

 

不思議な

不思議な人だと千尋は思った